2007.03.09 DVB World 2007で、ワンセグとISDB-Tmmについて講演しました。
以下講演要旨
1. はじめに
DVB Worldは、欧州の標準化団体DVBの年次大会で、毎年3月に開催されている。今年は、7回目でアイルランドのダブリンで3月7日から9日まで開催された。33カ国から250名が参加し、英国の35名を頭にドイツの23名、米国の13名、アイルランドの12名などである。スロバキアやリトアニア、セルビアなどからも参加している。フジテレビはDVBの正式メンバーであり、今回、日本の携帯向け放送について講演の招請を受けた。モバイル放送のセッションでは、ワンセグとISDB-Tmmについて講演し、大きな反響を得た。
2. 主なセッション
2.1.基調講演
基調講演は、グーグルのテレビ技術のヘッドであるビンセント・デュレア氏であった。3つのキーワードとして、テレビジョンとWebビデオ、シェア・レシピ(コンテンツ)を挙げた。若い世代はテレビを見なくなっており、PVRでCMスキップが加速する。ビデオ機器は安くなっており、ユーザーもコンテンツを作れるようになっている。Webビデオでは、広告付きのミュージックビデオが流行っており、MTVは広告付きビデオのシンジケーションを始めた。Webは、ビデオのPlay ground(遊び場)となるだろうと述べた。CBSなどの放送局もユーチューブを使い始め、人気ベスト25に3つ入っているそうだ。コンテンツを楽しむ為のナビゲーションが不足しており、ワンソースをクロスプラットフォームでリーチさせる事が必要と主張した。
最後にユーザービデオということで、人間の手と指だけのパフォーマンスで最後にギネスビール(当地の名産)を持つクリップを見せたが、昔のトリスのアニメCMを見ているようであった。
検索のグーグルとしては、ナビゲーションを提供するのは俺たちだと言いたいのだろう。
2.2.ISDB-T Mobile TV in Japan
日本が開発したISDB-Tによる地上デジタル放送の現状とワンセグ携帯放送、アナログ放送終了後にサービスを提案しているISDB-Tmm方式による、モバイルマルチメディア放送について講演した。ワンセグ携帯の普及台数に驚き、誰がコスト負担しているのか、地下鉄や地下街における受信などについて熱心な質問があった。
2.3.DVB-Hのリーダーの道 Alessandro Floris (3Italia)
欧州のトップを切ってイタリアの携帯電話会社「3Italia」が2006年6月5日よりDVB-Hによる商用サービスを開始した。3Italiaは、2006年8月現在680万の加入者を持ち、10月現在で、25万のDVB-Hユーザーを獲得している。1つの無料を含む14chをサービス。無料チャンネルは、ライブを中心とした編成である。
料金は、様々のパックを設定しており、1ヶ月19ユーロ、1日3ユーロなどの料金設定。ARUPは60%上昇した。個別に聞いてみると、実際にはキャンペーンをやると客の反応が上がるので、企画し続けなければならないようだ。ユーザーが使ってくれるのは、一人当たり月5ユーロ位かなとのコメントであった。番組編成は、地上デジタル放送や衛星でサービスされている有料チャンネルのブランドであり、ニュース、スポーツなどの満足度が高いそうだ。
2.4.イギリスの周波数再割り当て グレッグ・ベンスベルグ
英国では、周波数の再割り当てについて議論の真最中である。2008年から一部の地方ではアナログ停止が計画されており、残りの周波数をオークションで再分配する際、HDTVとするのか、一般のマルチチャンネル放送と区別せずに行うのか焦点となっている。オークションということも踏まえ、事業参入意欲をそがないように工夫するといっているが、HDTVとするとそれ以外のサービスはできなくなる仕組みのようで、複雑な舵取りのようである。関係者会合は2月に終わり、3月20日までコンサルテーションの時期となっており、夏までには決定される予定だそうだ。オフラインでフランスの関係者に聞いたところ、フランスでも同様のスケジュールだが、こちらはDVB-Hに割り当てる方向で、秋にはプレ商用サービスが開始される見込みだそうである。
2.5.デジタル放送の技術動向 クラウス・アイグナー IRT
世界はISDB-Tmmを認知した。!
アイグナー氏は、全てのデジタル放送方式を総括した講演を行った。DVBでもOFDMのパラメータを変えて、新しいサービスを行うことを検討しており、ISDB-Tmmがパラメータをダイナミックに変えること既に検討していることに注目していた。素手のに彼のプレゼンには、ISDB-Tmmの日程が書かれていたのには驚いた。ISDB-Tmmのプレゼンが注目されていたのが良くわかる。
3. まとめ
欧州がDVB-Hを開発したのにもかかわらず、一部の地域でしかサービスを開始できないのは、周波数の不足による。DVBもDVB-SとDVB-Tでは先行して成功を収めたかに見えるが、周波数の不足と各国の事情により、それ以降の展開が遅れているようだ。DVBワールドに先立ってロンドンで開催されたIPTV-Worldには、700名の出席と伝えられ、膨大な通信インフラに期待する通信事業者とメーカーやベンダーが多数いる。固定向けのデジタル放送のみで終わりではない。常に放送は変化して行かなければならないと感じた。
以上
